「リトライ」と「リベンジ」は、どちらももう一度挑む場面で使うため、違いに迷うことがありますよね。
結論からいうと、リトライは再試行、リベンジは復讐が本来の意味で、日本語では失敗を取り返す再挑戦の意味でも使われます。
この記事では、例文を通して場面ごとの使い分けと、英語で「revenge」を使う際の注意点を確認できます。
まずは、2つの言葉がもともと持つ意味から見ていきましょう。
リトライとリベンジの違いは「再試行」と「復讐」が出発点

リトライは「もう一度試すこと」、リベンジは「受けた害に報いること」が、本来の出発点です。
日本語ではどちらも再挑戦の話題で聞くことがありますが、言葉が持つ中心の意味と感情の強さには差があります。
リトライは、もう一度試すことを表す
リトライは、失敗した操作や作業を同じ条件、または条件を整え直して再び行うことを指します。
機械やゲームの画面で見かけることが多く、感情よりも「実行をやり直す」行為そのものに焦点がある言葉です。
たとえば通信が途中で切れたときに、送信をもう一度行うなら「リトライ」が自然でしょう。
前回うまくいかなかった理由が大きな失敗とは限らず、単純に一度やり直す場合にも使えます。
| 言葉 | 中心となる意味 | 含まれやすい気持ち |
|---|---|---|
| リトライ | 同じことをもう一度試す | 比較的ニュートラル |
| リベンジ | 受けた害や悔しさに報いる | 対抗心・雪辱の思い |
リベンジは、本来は復讐を意味する
リベンジは本来、自分や身近な人が受けた害、不当な扱いへの報復を表す言葉です。
そこには相手との対立や、受けた悔しさを返したいという感情が含まれやすくなります。
そのため、リトライのように「処理を再実行する」という事務的な意味から始まった語ではありません。
再び行うこと自体よりも、前回の負け・失敗・屈辱を取り返そうとする気持ちに重心がある、と捉えると区別しやすくなります。
日本語では、再挑戦を表す場面で意味が重なる
日本語の会話では、前に達成できなかった目標へもう一度向かう意味で、リベンジが使われることがあります。
この用法では「再挑戦」という点でリトライと重なります。
ただし、リトライは行動のやり直しを淡々と伝えやすく、リベンジには「今度こそ結果を変えたい」という熱量が乗りやすい違いがあります。
迷ったときは、再実行を伝えたいのか、それとも前回の悔しさを取り返したいのかを考えると、選ぶ言葉がすっきり決まります。
日本語の「リベンジ」は失敗を取り返す意味でも使われる
日本語の「リベンジ」は、相手への報復に限らず、一度うまくいかなかった目標へもう一度挑む意味で広く定着しています。
ただし、同じ再挑戦を表していても、聞き手が受け取る悔しさや熱量には差が出ます。
再挑戦の意味で使っても、直ちに誤りとはいえない
日本語で「次はリベンジしたい」と言う場合、多くは失敗や敗北を取り返したいという再挑戦の意思を表します。
会話、スポーツの記事、テレビ番組などで長く使われてきた表現なので、日本語として通じない言い方ではありません。
言葉は辞書上の出発点だけで固定されるものではなく、実際にどんな意味で共有されているかによって用法が広がります。
そのため、再挑戦の意味で使った人を「間違っている」と即座に判断する必要はないでしょう。
とはいえ、文章の相手が日本語表現に厳密な人だったり、英語本来の意味を意識する場だったりすると、別の言葉を選ぶほうが無難なこともあります。
悔しさや雪辱への思いが伝わりやすい
「リベンジ」には、前回の結果をそのまま受け入れず、今度こそ達成したいという感情が乗りやすい言葉です。
失敗した瞬間の悔しさや、負けた相手・記録・苦手意識を越えたい気持ちまで含めて伝えられます。
たとえば「もう一度挑戦する」よりも「リベンジする」のほうが、前回の不本意な結果を意識している印象になりがちです。
この熱量があるからこそ、目標を逃したあとに気持ちを切り替える言葉としてしっくりくる場面があります。
一方で、前回に特別な失敗や悔しさがないなら、あえてリベンジと言うと少し大げさに聞こえるかもしれません。
| 表現から受けやすい印象 | 伝わりやすい気持ち |
|---|---|
| もう一度挑戦する | 落ち着いた意欲 |
| 再挑戦する | 事実を端的に伝える姿勢 |
| リベンジする | 悔しさを晴らしたい強い意欲 |
攻撃的に響くかどうかは、相手や文脈によって変わる
「リベンジ」という言葉だけで、話し手が攻撃的だと決めつけることはできません。
自分自身の失敗に対して使うなら、「前回できなかったことを達成したい」という前向きな決意として受け取られることが多いものです。
ただし、特定の人に勝ち返すことや、相手を負かすことばかりを強く打ち出すと、聞き手によっては対立的な響きを感じます。
とくに職場や初対面の相手との会話では、相手を倒すような印象を避けたい場面もあるでしょう。
相手への怒りを含む言葉として聞こえる可能性がある場では、目標そのものに焦点を当てた表現が安心です。
仲のよい友人同士で悔しさを共有する会話なら自然でも、関係性が浅い場では受け取り方が変わります。
言葉の正誤より、「誰に、どんな気持ちを伝えたいか」を先に考えると、無用な誤解を減らせます。
場面別の例文で見るリトライとリベンジ
同じ「もう一度やる」でも、作業なら手順の再実行、試合や登山なら前回の結果を取り返したい気持ちが前に出ます。
言葉を入れ替えてみると、何を強調したい場面なのかが見えてきます。
作業のやり直し:ITの処理では「リトライ」が使われる
ITの処理が一時的な通信不良などで失敗した場合は、「リトライ」が自然です。
処理そのものを同じ条件で再実行する意味が中心で、悔しさや相手への対抗心までは含みません。
| 表現 | 例文 | 伝わる内容 |
|---|---|---|
| リトライ | 送信に失敗したため、処理をリトライします。 | 失敗した処理をもう一度実行する。 |
| リベンジ | 送信に失敗したため、処理をリベンジします。 | 意味は推測できても、機械的な処理には感情的で不自然に響きやすい。 |
たとえばゲームの操作で「接続に失敗したのでリトライする」と言う場合も、失敗した手順を繰り返す感覚になります。
対象が作業・操作・通信なら、まず「リトライ」を選ぶと考えると迷いにくいでしょう。
負けた試合への再挑戦:置き換えると意気込みの響きが変わる
試合で負けたあとに再び挑む場面では、どちらも使えます。
ただし「リトライ」は次の挑戦を淡々と表し、「リベンジ」は負けを取り返したい気持ちを強く伝える言葉です。
| 表現 | 例文 | 聞き手が受ける印象 |
|---|---|---|
| リトライ | 予選で負けたので、次の大会でリトライする。 | もう一度挑戦する意志に焦点がある。 |
| リベンジ | 予選で負けたので、次の大会でリベンジする。 | 前回の敗北を取り返したい熱意が伝わる。 |
相手に負けた悔しさを会話で出したいなら、「次はリベンジしたい」のほうが気持ちに勢いが出ます。
一方で、練習計画や大会予定を落ち着いて話すなら、「次の大会に再挑戦する」としたほうが場になじむこともあります。
勝敗の記憶を強く含めたいかが、二つの言葉を選ぶ分かれ目です。
登山などの目標への再挑戦:対戦相手がいなくても使われる
悪天候や体調不良で登頂を断念した山に再び向かう場合も、「リトライ」と「リベンジ」は使い分けられます。
登山では人との対戦がなくても、前回達成できなかった目標があれば「リベンジ」という表現は成立します。
| 表現 | 例文 | 強調される点 |
|---|---|---|
| リトライ | 天候が回復したら、同じルートにリトライする。 | 中断した計画を改めて実行すること。 |
| リベンジ | 昨年は登頂できなかったので、今年こそあの山にリベンジする。 | 果たせなかった登頂を今度こそ実現したい思い。 |
前回の失敗や悔しさがないのに「富士山にリベンジする」と言うと、聞き手は「前に何かあったのかな」と感じるかもしれません。
初めて登る山や、単にもう一度楽しみたい旅行なら、「再挑戦する」「もう一度行く」のほうが誤解なく伝わります。
リベンジは、以前に届かなかった目標があるときに自然な言葉です。
リトライとリベンジの使い分けは、伝えたい意図で考えよう
言葉を選ぶときは、「何をもう一度するのか」と「どんな気持ちを伝えたいのか」を分けて考えると迷いません。
作業なら再試行、達成したい目標があるなら再挑戦、負けた悔しさを取り返すなら雪辱。日本語の言い換えにすると、相手にも意図がまっすぐ伝わります。
行為を伝えるなら「再試行」、目標に向かうなら「再挑戦」
同じ「もう一度」でも、操作や手順を繰り返す場合は再試行、達成できなかった目標へもう一度取り組む場合は再挑戦が自然です。
再試行は、失敗した操作を同じ条件でやり直す場面に向きます。
- 送信に失敗したため、時間を置いて再試行する。
- エラーが解消されたあと、申請を再試行してください。
- 接続を確認してから、アップロードを再試行する。
一方の再挑戦には、「今度こそ達成したい」という前向きな意思が含まれます。
- 資格試験に再挑戦する。
- 今年はフルマラソン完走に再挑戦したい。
- 前回は断念した企画に、条件を整えて再挑戦する。
迷ったら、やり直す対象が操作・手順・処理なら再試行、成果・目標・挑戦なら再挑戦と考えると選びやすいでしょう。
| 伝えたいこと | 向く表現 | 文の例 |
|---|---|---|
| 同じ作業をもう一度行う | 再試行 | 資料の送信を再試行します。 |
| 目標達成を目指して取り組む | 再挑戦 | 来年、試験に再挑戦します。 |
| 以前と別の方法で取り組み直す | 再挑戦/取り組み直す | 方法を見直して取り組み直します。 |
負けを取り返す気持ちを表すなら「雪辱を果たす」
試合や勝負で負けた相手に勝ち返すことを伝えたいなら、「雪辱を果たす」がぴったりです。
雪辱には、過去の敗北や悔しさを晴らす意味があります。単にもう一度やるよりも、負けを取り返したい気持ちがはっきり出る表現です。
- 前回敗れた相手に勝ち、雪辱を果たした。
- 決勝での敗戦から一年後、同じ舞台で雪辱を果たす。
- 次の対戦で雪辱を果たしたい。
ただし、勝敗がない仕事や日常の小さな失敗には、雪辱は少し大げさに聞こえます。
たとえば提出物のミスなら、「次回は確認を徹底します」「修正して再提出します」のほうが落ち着いた印象になります。悔しさを強く打ち出したい場面だけに絞ると、言葉が浮きません。
仕事の連絡では、再び行う作業を具体的に伝える
仕事の連絡では「リトライします」とだけ書くより、何を、どうするのかを具体的に示すほうが誤解を防げます。
相手が知りたいのは気合いよりも、次に行われる作業と対応の期限です。短い一文でも、対象を入れるだけで連絡がぐっと実務的になります。
| あいまいな表現 | 伝わりやすい言い換え |
|---|---|
| 資料をリトライします。 | 資料を修正して再提出します。 |
| 送信をリトライします。 | 通信状況を確認し、ファイルを再送します。 |
| 申請をリトライします。 | 不備箇所を修正したうえで、申請を再度行います。 |
| 次はリベンジします。 | 次回に向けて手順を見直し、改めて取り組みます。 |
期限を伝えられる状況なら、「本日中に修正して再提出します」のように日時も添えると、相手は確認の予定を立てやすくなります。
「リベンジします」は社内外の連絡では避けるのが無難です。軽い会話では通じても、悔しさや対抗心が前面に出ることがあり、事務的な報告には合わないためです。
仕事では、再び行う作業を具体化し、必要なら原因への対応も一言添える。この順番なら、前向きさと信頼感の両方を伝えられます。
英語で再挑戦を伝えるときは「revenge」に注意
英語で「もう一度挑戦する」と伝えたいとき、日本語の感覚で「リベンジ」を直訳すると意図と違って受け取られることがあります。
再挑戦なら、状況に応じてretryやtry againを選ぶのが安全です。
日本語の「リベンジする」をそのまま英訳すると誤解されうる
英語のrevengeは、相手から受けた害や屈辱に対して仕返しをする「復讐」を指す語です。
そのため、「資格試験にリベンジする」「次の大会でリベンジする」という気持ちを I will revenge. のように言うと、相手への報復を考えているように響くおそれがあります。
再挑戦の意味で revenge を動詞として使うのは避けましょう。
たとえば、試験で一度不合格になった後に再受験する話なら、相手を傷つける対象はありません。
英語では「何をもう一度するのか」をそのまま言うほうが、気持ちも予定も誤解なく伝わります。
| 伝えたい内容 | 自然な英語表現 |
|---|---|
| 失敗した操作をやり直す | retry / try again |
| 試験をもう一度受ける | take the exam again |
| 試合で次は勝ちたい | try to win next time |
| 相手への復讐を語る | revenge |
映画や小説の題名などで revenge を見かけたら、再挑戦よりも報復の文脈をまず疑うと読み違えにくくなります。
「retry」や「try again」で、もう一度試すことを伝える
retryは、失敗した処理や作業を再試行する場面によく合う表現です。
特にアプリの表示、通信、送信、ログインなど、同じ操作を繰り返すときに自然でしょう。
- Please retry the upload.(アップロードを再試行してください)
- I retried the payment, but it failed again.(支払いを再試行しましたが、また失敗しました)
一方のtry againは使える範囲が広く、会話でも書き言葉でも扱いやすい言い方です。
試験、運動、料理、ゲームなど、機械的な操作に限らない「もう一度やってみる」を素直に表せます。
- I will try again next year.(来年、もう一度挑戦します)
- Don’t give up. Try again.(諦めないで。もう一度やってみて)
- I want to try climbing that mountain again.(あの山にもう一度挑戦したい)
迷ったときは、日常的な再挑戦には try again、ボタン操作や手続きの再実行には retry と考えると選びやすくなります。
英語では気合いの強さを一語で足すより、「次回」「もう一度」「成功するまで」のように行動を具体的に述べるほうが自然です。
リトライとリベンジの違いを押さえて、再挑戦の意図を伝えよう
リトライとリベンジの違いは、再試行を表すか、復讐を出発点とするかにあります。
日本語では「リベンジ」を再挑戦の意味で使えますが、悔しさや前回の結果を取り返したい気持ちが強く伝わる言葉です。
作業や処理をもう一度行うならリトライ、目標への再挑戦や雪辱を伝えたいならリベンジがなじむでしょう。
英語ではrevengeを再挑戦の意味で使わないよう注意し、状況に応じて retry や try again を選んでください。

